猫好きの僕がコインランドリーに行った時の出来事
猫が好きで、外を歩いているとつい足元や物陰を見てしまう。
とはいえ、特別なことが起きるわけでもなく、ただの癖みたいなものだ。
その日も、溜まっていた洗濯物を抱えて近所のコインランドリーへ行った。
平日の夕方で、店内には先客が一人だけ。テレビの音と洗濯機の回る音がしていて、いつもと変わらない雰囲気だった。
空いている洗濯機に洗濯物を入れて操作を済ませ、ベンチに座ってスマホを見る。
待ち時間はだいたい30分。その間にメールを返したり、ニュースを眺めたりするのがいつもの流れだ。
しばらくして、入口の方で物音がした。
ドアの外を見ると、灰色っぽい猫が一匹、店内を覗いていた。
特に何をするわけでもなく、ただ立ち止まっているだけ。
人の気配や機械の音が気になるのだろう。こちらを一度見てから、興味がなくなったのか、そのまま通り過ぎていった。
それだけの出来事だった。
声をかけることもないし、写真を撮ることもない。
乾燥が終わり、洗濯物を畳んで店を出る。
さっきの猫はもういなかった。
特別な話ではないけれど、洗濯という単調な時間の中で、ほんの一瞬だけ気が紛れた。
こういう何も起きない時間も、悪くないと思う。
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